新型エクストレイルPHVの最新情報。フルモデルチェンジ後、エクストレイルにPHEV(三菱の呼び名)がラインナップされる。発売時期は2019年だ。価格や燃費、スペックなどを紹介
日産エクストレイルに三菱のPHEV技術が搭載
エクストレイルのフルモデルチェンジについて解説していきたい。
新型エクストレイルが誕生するとなると、ライバル車種も黙ってはいないだろう。
今でこそ、エクストレイルの人気は落ちてしまっているが、
エクストレイルと言えば、発売翌年の2001年~2010年の10年間連続で日本国内におけるクロスオーバーSUV形乗用車販売台数第1位の座を獲得していた車種だ。
現行のエクストレイルは2013年にデビューしており、2015年春にはハイブリッドが追加された。
まだモデルライフ途中でマイナーチェンジを受けていないが、早くも新型エクストレイルの情報が出回っている。
そんな中、新型エクストレイルにPHVがラインナップされるとの情報がある。
三菱のPHEV技術を搭載するとの事だ。
PHEVやPHVの意味をおさらいしておくと「プラグインハイブリッド電気自動車」で電気でもガソリンでも動く車と言う意味だ。
なぜ日産のエクストレイルに三菱のPHEV技術が使われるのだろうか。
日産は燃費不正で陥った三菱を救済
新型エクストレイル(フルモデルチェンジ後)にPHEVモデルがラインナップする。
なぜ日産が三菱の技術を使用できるのだろうか。
実は、日産は「燃費不正」で窮地に陥った三菱を救済する形で34%を出資し傘下におさめている。
現在三菱の経営陣には、日産のカルロス・ゴーン会長や、元副会長:川口均氏、元副社長:伊佐山建志氏、日産の技術開発を率先してきた山下光彦氏などがいる。
これにより三菱を実質、日産の傘下におさめる事で、社内体制の改善や技術を使用する体制を整えたのだ。
ここで気になる点がある。
三菱を傘下におさめた日産が今後の車づくりにどう影響するかだ。
日産が三菱よりも優れている点は、
・「プロパイロット」などの自動運転技術。
・そして燃料電池技術「FCV」
・コネクティッドカー技術
そして日産が三菱の技術で欲しがっているのが、
・PHEV技術
・4WDの制御技術
・軽自動車の開発技術 だ。
PHEV技術の第一弾が
新型エクストレイルとなるわけだ。
三菱のPHEV技術を存分に発揮して来る事となる。
尚、電動化技術で言えば、日産と三菱両社ともにリチウムイオン電池を過去に自社開発、自社生産しており量産EV車を誕生させているので技術レベルは同等程度だ。
しかし、PHV(三菱はPHEVと呼ぶ)で考えると三菱はアウトランダーで成功をおさめており、三菱が一歩リードしていると言えよう。
さて新型エクストレイルにPHEVが搭載されるとの事で期待が高まるが、気になるのはその性能だ。
三菱を代表する車種にアウトランダーPHEVがあるがどのようなこの車種はどのようなスペックなのだろうか。
簡単に見てみよう。
新型エクストレイルPHVの参考としてアウトランダーがある
フルモデルチェンジ後、日産エクストレイルにPHVモデルが誕生するわけだが、その技術は三菱のPHEVを使用する。
三菱のPHEVと言えばアウトランダーだ。
アウトランダーは2005年に誕生した車種で、5人乗りのファミリーでも使用できる車だ。
室内も広く、アウトドア派にはもってこいの車となっている。
特長は車内の電源が使える事だ。
この辺りも、新型エクストレイルPHVに応用されてくるようなので詳しく見ておこう。
アウトランダーは非常用電源も兼ね備えている。
もし、震災などで停電が起き電源が絶たれてしまっても、駆動用バッテリーから電力を取り出しスマホ充電や冷蔵庫や洗濯機の電源として使えるのだ。
満充電の状態だと、一般家庭の1日の電気は供給可能だ。
エンジン発電も使うと最大で10日分の電気を確保できる。
デメリットはまだ電気自動車用の充電スポットが街中に少ない点だけだ。
※家庭で充電可能
これはまだPHVが国内で流行っていないからだ。
ただし、今後は間違いなく電気自動車が主流になる。
その裏付けとして、経済産業省が以下の目標を設定した。
2020年のEV・PHVの普及台数(保有ベース)を最大で100万台とすることを新たに目標として設定。(平成28年2月末のEV・PHVの累計販売台数は約14万台)
今後確実に需要が増えるPHVに日産もエクストレイルで切り込んでくるわけである。
電気自動車は電気のみだけで走れる距離がとてつもなく長い。
アウトランダーの場合は充電電力使用時走行距離は60.8km/Lとなる。
電気で走れる距離が素晴らしいのは勿論、電気自動車の良さはそれだけでは終わらない。
ガソリンと比較すると走行がスムーズで静かなのだ。
プリウスPHVと新型エクストレイルPHV
エクストレイルPHVが発売されたら必ず比較されるであろうプリウスPHV。
そしてエクストレイルPHVが発売される頃にはアウトランダーPHEVもフルモデルチェンジされるだろう。
すると新型エクストレイルPHVとプリウスPHV、新型アウトランダーPHEVと比較される事が多くなるだろう。
プリウスPHVは2017年2月に発売開始したトヨタの最新PHV車種だ。
現行アウトランダーPHVとの違いは大きく分けて3つほどある。
・サイズ
アウトランダーPHEVはSUVでプリウスPHVはセダン
アウトランダーの方が大きい
・乗車人数
アウトランダーPHEVは5人だがプリウスPHVは4人
・ソーラーパネルの有無
プリウスPHVはルーフにソーラーパネルが付いているので自動で充電してくれる。
ガソリンだけの走行距離もプリウスPHVはアウトランダーを遥かに上回る。
これだけ先進的な電気自動車をトヨタは誕生させたので日産も黙っているわけにいかない。
当然新型エクストレイルPHVではプリウスPHV超えを目指すだろう。
エクストレイルPHVもルーフにソーラーパネルを搭載する可能性も大いにある。
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新型エクストレイルPHVの前にエクストレイルってどんな車?
新型エクストレイルPHVの情報に入る前に、エクストレイルについて見ていこう。
エクストレイルは日産が2000年より発売している車で現行で3代目となる。
クロスオーバー型SUVとして、ライバル車種のホンダヴェゼルやトヨタC-HR、マツダCX-5、スズキエスクードなどのライバル車種に対抗している。
世界的にみると167の国と地域で80万台以上が販売されており日産の世界戦略車となっている。
今まさに旬のクロスオーバー型SUV。
日産はこのエクストレイルを強化して行き、この波に乗ろうとしている。
エクストレイルは1997年の東京モーターショーにて出展されたコンセプトモデル「トレイルランナー」をベースに作られている。
初代エクストレイル(2000~2007年)
キャッチフレーズ「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」として発売。
開発コンセプは「タフギア道具」
2000年11月13日に発売開始した。
国内販売用モデルのラインナップは、2000ccガソリン車のみだが、
(QR20DEエンジン搭載の自然吸気 SR20VETエンジン搭載ターボ車)
オーストラリアやアジア、中近東では2500ccガソリン車の設定がある。
(QR25DEエンジン搭載)
ヨーロッパではディーゼル車もラインナップされている。
北米市場ではカナダとメキシコで販売。
▼主要諸元
・全長:4445~4510mm
・全幅:1765mm
・全高:1675mm&1750mm
・ホイールベス:2625mm
・車両重量:1340~1480kg
・乗車定員:5名
・ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
・エンジン
QR20DE 2.0L 直4 DOHC 150PS
SR20VET 2.0L 直4 DOHC 280PS
・駆動方式:FF/4WD
・変速機:
4速AT (E-ATx)
5速MT
・サスペンション:
前:独立懸架ストラット式
後:独立懸架パラレルリンクストラット式
2代目エクストレイル(2007~2015年)
初代発売開始より約6年9ヶ月目でフルモデルチェンジ。
初代の時の4WDシステムは「オールモード4X4」を採用していたが、
2代目より「オールモード4X4-i」を採用した。
このシステムは後に、ルノー・コレオスやダチア・ダスターなど幅広く採用される事になる。
エクストレイルの特徴はライバル車達が高級路線にフルモデルチェンジして行く中、エクストレイルは初代のコンセプトを貫き通している点にある。
高級路線よりも、オフロードなどの走行性能を重視している男くさい車だ。
例えば、デュアリス(2代目とプラットフォームを共有)はオンロードユース型だが、エクストレイルはオフロードユース重視だ。
2代目中盤よりヨーロッパ市場でのモデルラインナップはディーゼル車のみに切り替わった。
価格もデュアリスとは比較にならない程高額になっている。
北米市場では、2007年秋にローグが発売された事を受け、エクストレイルは撤退している。
ローグ=デュアリス(キャシュカイ)の北米版
プラットフォームは日産・Cプラットフォームを使用している。
エンジンのラインナップは
・2,000cc MR20DE
・2,500cc QR25DE の2設定だ。
そして4WDの20Xにはシリーズ唯一となる6MTを設定し、話題となった。
▼主要諸元
・全長:4590mm
・全幅:1785mm
・全高:1685mm&1770mm
・ホイールベス:2630mm
・車両重量:1430~1530kg
・乗車定員:5名
・ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
・エンジン
MR20DE 2.0L 直4 DOHC 137PS
QR25DE 2.5L 直4 DOHC 170PS
M9R 2.0L 直4 DOHC 173PS
・駆動方式:FF/4WD
・変速機:
エクストロニックCVT
エクストロニックCVT-M6
6速AT
6速MT
・サスペンション:
前:独立懸架ストラット式
後:独立懸架マルチリンク式
3代目エクストレイル(2013年~)
新型エクストレイルに約6年4ヶ月後にフルモデルチェンジ。
日産自動車とルノーが共同開発した、プラットフォームを基幹としたFFとFFベースの4WD車用のエンジニアリングアーキテクチャーCMFを初めて採用した。
※CMF(Common Module Family、コモン・モジュール・ファミリー)
初代から続く「タフで高性能なクロスオーバーSUV」のイメージはそのまま継承している。
エンジンは国内販売用では2.0Lガソリン車のみの設定だったが、C26型セレナと同じ2.0L直噴エンジンMR20DD型に変更されている。
2015年4月にMR20DD型をベースにしたハイブリッド車を追加設定した。
ヨーロッパ仕様車では、
2代目のM9R型よりもダウンサイジングされたエンジン、1.6L・R9M型のディーゼル車も設定されている。
オーストラリア仕様車では、
2.5LガソリンエンジンのQR25DE型(2代目同様)の設定と先に挙げたヨーロッパ仕様車同様にディーゼル車もラインナップされている。
▼主要諸元
・全長:4640mm
・全幅:1820mm
・全高:1715mm
・ホイールベス:2705mm
・車両重量:1440~1630kg
・乗車定員:5名/7名
・ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
・エンジン
MR20DD型 2.0L 直4 DOHC
QR25DE型 2.5L 直4 DOHC
R9M型 2.0L 直4 DOHC dCi
・駆動方式:FF/4WD
・変速機:
エクストロニックCVT
6MT
・サスペンション:
前:独立懸架ストラット式
後:独立懸架マルチリンク式
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新型エクストレイルPHV誕生の背景
日産エクストレイルにPHVモデルが誕生すると解説してきたが、なぜエクストレイルなのか。
エクストレイルPHV誕生の背景をまとめていこう。
EV(電気自動車)と言えば技術的に生産するのは難しそうであるが、
正直、HV(ハイブリッド)とPHV(プラグインハイブリッド)の違いはよく分からない方は多いだろう。
PHVはHVに「外部充電機能を付けただけの車」だと思われがちだ。
しかし、PHVとHVは特に電池と制御系が大きく異なりPHVはHVよりも生産するのが難易度が高くなるのだ。
電池性能を示すものは「エネルギー密度」と「出力密度」の2つがある。
エネルギー密度は航続距離に関係し、出力密度は最高速度に関係してくるものだ。
HVの場合は、電池残量が足りなくなるとエンジンが発電を開始するので、エネルギー密度をそこまで気にする必要はない。
しかし、電気自動車的な(EV)走行を売りにするPHVの場合はエネルギー密度と出力密度の両方を気にする必要がある。
さらには、HVとしての回生機能もあって大出力を頻繁に電池に出し入れする必要があるので電池の発熱を気にしたり、劣化を抑えなくてはならない。
つまり、電池単体の性能特性を高めていく必要があり、加えて狙い通りの走りを実現する制御技術が必要となるのだ。
SUVなど大きくて重い車が中々PHV化しないのには理由があるのだ。
リーフのような乗用車をEV化するのは現在の技術によりコストをあまりかけずに生産するのは簡単だ。
しかし大きい車では価格や充電時間の関係で難しい。
よって必然的にHVとなるのだ。
しかし、自動車メーカーとしては今後、より高い環境性能を持ち、世界にPRでき、世界各国の優遇を受けやすいPHVにシフトしていきたいのが本音だ。
実際に日産のゴーン会長はアライアンスが締結された時に「(日産は)もうPHV技術の開発を止めても良い」と発言している。
これらの背景を見ると新型エクストレイルに三菱のPHEV技術が搭載される事はほぼ確実だろう。
新型エクストレイルPHVのプラットフォーム
新型エクストレイルのプラットフォームだが、日産が現行モデルに使用しているCMF(コモン・モジュール・ファミリー)プラットフォームを流用しつつ、三菱のPHVシステムに手を加えて搭載してくる可能性が高い。
CMFとは、日産とルノーが共通のプラットフォームを使用しコストを削減する為に生み出した共通のプラットフォームの事だ。
2020年までに約70%の車両をCMFプラットフォームを採用していくと発表している。
・コックピット
・フロントアンダーボディ
・エンジンコンパートメント
・リアアンダーボディ
・電気/電子アーキテクチャ といったモジュールを組み合わせていく。
小型車両は「CMF-A」、中型車両は「CMF-B」、大型車両は「CMF-C/D」が適用される。
新型エクストレイルPHVのデザイン
新型エクストレイルのデザインはどうなるのだろうか。
外観は現行エクストレイルのデザインを継承するが、Vモーショングリルを拡大してよりダイナミックさを増すだろう。
よりダイナミックなプレイスラインが織り込まれ、クォーターピラーには黒いガーニッシュが加えられサイドからはリアへとガラスエリアが続いているかのように演出される。
これらは新型セレナやムラーノ、マキシムなどと同じデザイン構成だ。
新型エクストレイルはフルモデルチェンジ後走行性能も進化する
新型エクストレイルのフルモデルチェンジ内容が色々と見えてきた。
PHV化によって航続距離は格段と向上する事は言うまでもない。
フルモデルチェンジ後に進化するのは環境性能だけではない。
三菱の車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用し、これを応用する事で走行性能も刷新されそうだ。
S-AWCと言えば、三菱ではランサーエボリューション(ランエボ)で威力を発揮をしたのが新しい。
S-AWCはアウトランダーPHEVで前後輪を結ぶプロペラシャフトが廃止され、よりスマートにそして高性能に進化した。
日産は三菱を傘下に入れた事により、
三菱の強みの電動化を含め、車輪制御技術を発揮してくる事になる。
新型エクストレイルPHVはいつ発売開始か
さて、エクストレイルのフルモデルチェンジ内容が分かった所で気になるのは発売時期だ。
現行エクストレイルは2013年末に誕生している。
ルノーとの共同開発プラットフォームが採用され、北米専売車ローグと統合されるカタチでデビューしている。
新たに3列シート車をラインナップに加え、手をかざすだけでドアが開く電動ハッチゲートや衝突軽減ブレーキも設定している。
そして、
2015年春に1モーター2クラッチ式のハイブリッド仕様が追加された。
この為、フルモデルチェンジの前にマイナーチェンジが行われる予定だ。
つまりエクストレイルのフルモデルチェンジはまだ数年先となる。
しかし、今までネックだった技術上の課題は三菱を傘下にした事で解消された。
PHVを含めルノーと日産の電動化線戦略も明るみに出てきた。
新型エクストレイルPHVは2019年に発売される。
エクストレイルのフルモデルチェンジの最新情報が入り次第こちらにて追加していきたい。
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