新型ステップワゴンスパーダに待望のハイブリッドモデルが追加された。
9月29日にマイナーチェンジされた新型ステップワゴン。
その性能を徹底解説していきたい。
ノア/ヴォクシー/セレナe-POWERとも比較
今回マイナーチェンジされた新型ステップワゴンの1番の注目点は、スパーダにハイブリッドタイプが追加された点だ。
スパーダハイブリッドの燃費性能は予想以上で、
現在、クラストップの燃費性能を誇っている。
ここではそのスパーダを中心に紹介していく。
新型ステップワゴンのモデルチェンジでは主にスパーダに力を入れてきた。
その理由は、ステップワゴンではスパーダが圧倒的に人気があるからだ。
2016年の販売台数の実績を見てみると、
丸みを帯びたフェイスのノーマルステップワゴンと、スパーダの割合を見てみると、
ノーマル:2割
スパーダ:8割
圧倒的にスパーダが支持されているのが分かる。
スパーダは、いかつくスタイリッシュな外観を売りにしている「エアロ仕様」と呼ばれるモデルだ。
スパーダは2代目ステップワゴンより派生したモデルで、当初はノーマルステップワゴンとスパーダで半々のシェアを獲得していたが、ここ数年では圧倒的にスパーダが人気となっている。
これにはミニバンを選ぶ層のニーズが変化して来た事によるものだ。
ホンダだけではく、近年その傾向は他メーカーにも影響している。
トヨタヴォクシーや日産セレナでもその傾向は見られ、エアロ仕様のいかつい外観のモデルが圧倒的に人気なっているのだ。
今回のモデルチェンジではノーマルステップワゴンでは外見は一切いじっておらず、スパーダのフェイスに手を加えてきた。
具体的にどう変化したのか。
勿論、進化したのは外観だけではない。
ここでは新型ステップワゴンが今回のマイナーチェンジによってどこがどう変わったか解説していきたい。
まずはハイブリッドモデルの価格や燃費をみていこう。
新型ステップワゴンのハイブリッドは全部で3タイプだ。
▼SPADA HYBRID B・Honda SENSING
スパーダハイブリッドの廉価モデル。
ホンダセンシングを搭載していないモデル設定もあり。
価格:3,300,480円(FF)
ホンダセンシング非搭載モデル:3,136,320円(FF)
JC08モード燃費:25.0km/L
WLTCモード燃費:25.0km/L
▼装備内容
・ホンダセンシング
・LEDヘッドライト(インラインタイプ)
・電子制御パーキングブレーキ
・ハイブリッド専用セレクトレバー
・わくわくゲート
・スパーダハイブリッド専用デザイン16インチアルミホイール
▼SPADA HYBRID G・Honda SENSING
Bモデルに必要な装備を充実させた売れ筋モデル。
価格:3,350,160円(FF)
JC08モード燃費:25.0km/L
WLTCモード燃費:25.0km/L
▼装備内容
※スパーダハイブリッドBホンダセンシングの装備に+して、
・LEDフォグランプ
・充電用USBジャック
(急速充電対応タイプ2個付き)
・本革巻ステアリングホイール
・コンビニフック付きシートバックテーブル
(運転席/助手席)
・ロールサンシェイド
(スライドドア両側)
・コンフォートビューパッケージ
(親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス)
▼SPADA HYBRID G・EX Honda SENSING
スパーダハイブリッドの最上級モデル、装備が最も充実している
価格:3,559,680円(FF)
JC08モード燃費:25.0km/L
WLTCモード燃費:25.0km/L
▼装備内容
※スパーダハイブリッドGホンダセンシングの装備に+して、
・1列目シート用i-サイドエアバックシステム+サイドカーテンエアバッグシステム
(1列目~3列目対応)
・運転席&助手席ヒーター
・トリプルゾーン・コントロール・フルオートエアエアコンディショナー
・調光機能付きLEDルームランプ
(LEDマップランプ付/1~3列目)
・ブラックコンビシート
(プライムスムース×ソフトウィーブ)
&専用インテリア
・パフォーマンスダンパー
今回のマイナーチェンジにより、新型スパーダハイブリッドには
「B」「G」「G EX」の3タイプが設定された。
この3つの違いは装備の充実度が異なる。
勿論、装備内容が異なるので価格も異なってくる。
価格が高い順(装備充実順)に並べると、下記の通りとなる。
・G EX:3,559,680円
・G:3,350,160円
・B:3,300,480円
なお、装備の違いが一目で分かるように表にまとめたので参考にしていただきたい。
B | G | G EX | |
ホンダセンシング | ○ | ○ | ○ |
わくわくゲート | ○ | ○ | ○ |
LEDヘッドライト | ○ | ○ | ○ |
電子制御パーキングブレーキ | ○ | ○ | ○ |
ハイブリッド専用セレクトレバー | ○ | ○ | ○ |
スパーダハイブリッド専用デザイン 16インチアルミホイール |
○ | ○ | ○ |
充電用USBジャック | ○ | ○ | |
本革巻ステアリングホイール | ○ | ○ | |
コンビニフック付きシートバックテーブル | ○ | ○ | |
ロールサンシェイド | ○ | ○ | |
コンフォートビューパッケージ | ○ | ○ | |
1列目シート用i-サイドエアバックシステム +サイドカーテンエアバッグシステム |
○ | ||
運転席&助手席ヒーター | ○ | ||
トリプルゾーン・コントロール・ フルオートエアエアコンディショナー |
○ | ||
ブラックコンビシート&専用インテリア | ○ | ||
パフォーマンスダンパー | ○ |
全タイプに共通して装備されているのが、ホンダセンシングだ。
このホンダセンシングはホンダの最新の安全支援運転システムで以下の機能を搭載している。
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・先行車発信お知らせ機能
・路外逸脱抑制機能
・標識認識機能
・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
・LKAS(車線維持支援システム)
今回のマイナーチェンジで大きく変わった点は、
スパーダに「ハイブリッド」が設定された点だが他には、
・デザインの変更
・ホンダセンシングが全モデル搭載で安全面が強化
・スパーダに専用カラーを追加
などが挙げられる。
さて、
ハイブリッドが設定された「スパーダ」。
こちらはスタイリッシュでスポーティさを売りにしているモデルだ。
7人乗りでファミリー向けとしても使えるが、使い勝手や室内の広さと格好良さを前面に押し出しているモデルとなる。
今回のマイナーチェンジによって新型ステップワゴンのデザインはどこが変化したのだろうか。
上記が新型のエクステリアだが、
デザイン面で変更があったのは「スパーダ」のみとなっている。
フロントマスクが変更され、より洗礼されたデザインとなった。
スパーダを選ぶ層の希望に沿った形のデザイン変更を行ない、よりアグレッシブなフェイスに変更されているのが分かる。
画像を比べてみるとその違いは一目瞭然だ。
スパーダのフェイスのフロントランプにはジェルLEDヘッドライトを採用している。
より光が届くようになったのと、
シャープでスタイリッシュな印象を与えてくれるようになっている。
新型ステップワゴンのカラーをみてみよう。
今回のマイナーチェンジによってスパーダに新しい色が追加された。
▼新型ステップワゴンスパーダハイブリッド専用カラー
・フォレストグリーンパール
“精悍で深みのある、上質で艶やかなグリーン” |
▼新型ステップワゴンスパーダガソリン専用カラー
“クリスタルガラスのような硬く精悍で、気高いアメジストカラー” |
上記2色が新型スパーダに追加された。
以下はノーマルモデルとモデューロXのカラーをまとめている。
▼新型ステップワゴンのカラー
・ブルーホライゾンメタリック
・ミルクグラスパール
・クリスタルブラックパール
・プラチナホワイトパール
・スーパープラチナメタリック
・モダンスティールメタリック
・プレミアムディープロッソパール
▼新型ステップワゴンスパーダ(ガソリン/ハイブリッド共通)のカラー
・オブシダンブルーパール
・プレミアムスパークルブラックパール
・プラチナホワイトパール
・スーパープラチナメタリック
・モダンスティールメタリック
・プレミアムディープロッソパール
▼新型ステップワゴンモデューロXのカラー
・プレミアムスパイスパープルパール
・プレミアムスパークルブラックパール
・プラチナホワイトパール
インテリアに関してもスパーダと、ノーマルとでは差別化されている。
特に、スパーダハイブリッドの本革シートは、
より艶やかで大人の色気が出ている室内になっている。
ブラック×パール(本革シート)
※スパーダハイブリッドG・EXホンダセンシング
ブラック
※スパーダホンダセンシング
ブラウン
※ステップワゴンG・EXホンダセンシング
新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの燃費に関しては、
ライバル車種であるトヨタの「ノア」「ボクシー」「セレナe-POWER」と比較してみよう。
今回スパーダに搭載されたハイブリッドシステムは、「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれる物で、アコードやオデッセイなど上級モデルに採用されているシステムを搭載してきた。
結果、同クラスではライバル車種を上回る燃費性能を手に入れた事になる。
新型ステップワゴンスパーダハイブリッド
JC08モード燃費:25.0km/L
ノア
JC08モード燃費:23.8km/L
ヴォクシー
JC08モード燃費:23.8km/L
セレナe-POWER(予想)
JC08モード燃費:26.0km/L
最大のライバル車種である、ノア/ヴォクシーの燃費性能を大きく上回ってきた新型ステップワゴンスパーダハイブリッド。
後出しで発表している事もあるが、ミニバンで25.0km/Lは素晴らしい数字である。
気になるのは現在発表待ちの日産「セレナe-POWER」だ。
日産は今後は「ハイブリッド」と言う名前を捨て、独自の技術「e-POWER」と言う名称を使用してくる。
ノートに搭載したその技術は燃費性能を飛躍的に伸ばしてきた。
セレナにもその技術が加わる日は近く、
新型ステップワゴンスパーダハイブリッドよりも燃費性能を上回ってくる事は確実視されておりその燃費性能に注目が集まっている。
JC08モード燃費25.0km/Lで現在クラストップの性能を誇っているスパーダハイブリッド。
そのハイブリッドシステムやパワートレーンをみていこう。
スパーダハイブリッドでは「SPORT HYBRID i-MMD」と言うハイブリッドシステムを搭載している。
特に注目したいのは、モーターのみで走る「EVドライブモード」だ。
この機能を街中走行など様々な場面で活用していく事で、「ガソリンを徹底的に使わない」ように工夫されているのだ。
それだけではなく、ハイブリッドでありながら多人数で乗っても力強いターボエンジン仕様なのは嬉しい。
・EVドライブモード バッテリから流れる電気のみでモーターを回して走行する
・ハイブリッドドライブモード エンジンの力で電力を発電し、モーターを回す
・エンジンドライブモード エンジンのみの動力で走行させる為に、エンジンをモーターではなくクラッチに直結させる |
低燃費の秘密は、このSPORT HYBRYD i-MMDにあると言える。
エンジンは主に発電で使用し、
街中ではEVモードによって、エンジンを止めモーターのみで走行したり、
力強い加速時や高速クルーズ時はエンジンも使用したりと、
道路状況によって、上記3つのドライブモードに切り替えるのだ。
走行環境によって3つのシステムを切り替える事によって燃費性能は向上している。
新型ステップワゴンでは2Lエンジンにおいて、世界最高レベルの単体燃費を実現したエンジンを採用している。
発電用モーターの動力源、高速クルーズ時の動力源という二役を担い、低燃費だけでなく、ハイパワーも実現している。
エンジン:
最高出力 107kW[ 145PS ] / 6,200 rpm
最大トルク 175N・m[ 17.8kgf・m ]/ 4,000rpm
走行用モーター:
最高出力 107kW[ 145PS ] / 6,200 rpm
最大トルク 175N・m[ 17.8kgf・m ]/ 4,000rpm
減速エネルギーを電気として高効率に回収してバッテリーに蓄えるとともに、自然なブレーキフィールを実現。
スパーダハイブリッドでは、フェイスの強化や新規カラーの追加、燃費向上など改良点は多くある。
またホンダセンシングにも新たな機能を追加してきた。
時速0キロメートルから前方の車に自動追従できるアダプティブ・クルーズ・コントロール機能が新たに加わったのだ。
改良点が盛りだくさんの新型ステップワゴンスパーダハイブリッド。
ステップワゴンに待望のハイブリッドが追加された。
しかもスパーダモデルにのみだ。
この点は、ステップワゴンの販売台数のシェアはスパーダが8割をとっているからだろう。
ハイブリッドシステムを搭載するとなると、通常の価格に50万円以上、上乗せされると言われているが、
スパーダガソリンモデルとハイブリッドモデルの価格を比較するとその差は約45万円だ。
価格面でも抑えているのでスパーダハイブリッドはお得でオススメ出来る車種だ。
スパーダハイブリッドがホンダのミニバン市場を盛り返してくれるだろう。